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かぜ症候群

概要

病原となるウイルスなどにより鼻からのどの奥まで、時に気管支にまで炎症が急性に生じて発症するのが、かぜ症候群です。

原因

かぜの約90%はウイルスが原因で引き起こされます。
主な原因ウイルスは、ライノウイルス、コロナウイルス(新型コロナウイルスではない)が多く、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどで亜型を含めて200種類以上あるといわれています。
残りの10~20%はA群β溶血性連鎖球菌などの細菌やマイコプラズマ、クラミジアなどのウイルス以外が原因となります。

症状

発熱、咳、たん、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、関節痛、頭痛、倦怠感などが生じます。

治療

かぜの多くはウイルス感染症ですので、抗菌薬(抗生物質)は不要であり、安静と水分、栄養補給により自然に治癒していきます。辛い症状を緩和する目的で、かぜ薬(たんを切りやすくする、過剰な鼻水を減らすなど)や解熱鎮痛剤を投与します。
しかし、発熱や咳、たん、鼻水などの症状は、治すための体の自然な反応でもあるため、薬で無理に止めることはしない方がいいでしょう。
なお、漢方薬の中には感染によって生じた炎症の反応を抑えるものもありますので、内服ができそうな場合は治療の一つとして検討してもいいでしょう。

発熱時の対応
解熱鎮痛剤

発熱は感染により生じる体の防御反応でもあります。体温を高くすることでウイルスの増殖を抑える働きもありますので、頻回な解熱鎮痛剤の投与により発熱の期間が延びることが動物実験で明らかになっています。
解熱鎮痛剤の投与は、高熱(38~38.5℃以上)かつ、それにより眠りにくい、ぐったりする場合に限った方がいいでしょう。ただし、2~3時間の効果しかありません。
辛いときには、氷枕、アイスノン、保冷剤などで冷やしてあげてもいいでしょう。解熱の効果は得られませんが不快な感じは軽減されます。
冷却ジェルシートの使用は勧めていません。解熱の効果がないばかりか、乳幼児のおでこに貼りっぱなしの場合、それがずれて鼻や口を塞いでしまう事故になることも危惧されます。

衣服

乳幼児の場合、発汗作用が未熟であるため毛布で包むなどすることで余計に体温が上がってしまいますので、普段着かやや薄着にしましょう。年長児以上で寒気がある場合は、その時だけ暖かくしてあげてください。

入浴

発熱時でも入浴することに問題はありません。体を清潔にしリラックス効果で免疫力がむしろ高まるとも言われています。長湯や湯冷めしないようにしてください。
ただし、ぐったりしている時、脱水気味の時、寝ている時は無理して入れないようにしてください。朝になって少し体調が回復した時間にでも入浴させてください。

飲食

発熱による汗の増加や食欲の低下により脱水になりやすくなります。飲水は少量ずつこまめに与えてください。食事は無理して食べなくてもいいですが、食べやすいもの(アイスクリームやプリン、ゼリー、麺類など)を少しずつ与えてください。発熱時は消化不良を起こしやすいですので、消化にいいものを選んでください。

予防

集団生活(保育園や幼稚園、学校など)でかぜをひくのは仕方ない部分もあります。一般的には免疫力が一時的に低下することでかぜをひきやすくなります。
十分な睡眠、バランスの良い食事、体を冷やさない、ストレスを溜めこまないなど普段から注意しましょう。
保育園や幼稚園など初めての集団生活では最初の2~3ヶ月間は月に数回かぜをひくこともありますが、しばらくするとかぜに対する免疫力がついてきて頻度は減ると思います。
漢方薬でかぜを予防できる場合もありますので、ご相談ください。

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