子どもの熱中症
関東地方も来週頃には梅雨が明けると思われますが、今年の夏は例年よりも猛暑となる予報です。これからの季節、熱中症に注意が必要です。
高温多湿下に長時間いることで多量の汗により体内の水分や塩分が失われしまったり、熱がこもって体温が上昇してしまうことで熱中症になります。
子どもが熱中症になりやすい特徴
①体温調整が未熟
高温下では通常多量の汗を出して体温を下げようとしますが、子どもは発汗能力が未熟のため高温下では汗が十分に出ません。その結果、体内に熱がこもってしまい大人よりも高体温になりがちです。
②地表に近い
夏の路面温度は60℃以上になります。そのため路面により近いベビーカーや子どもでは大人よりも路面から放出される熱(赤外放射)の影響をより受けやすくなります。1.5 mの高さで気温32℃の時、50 cmの高さでは35℃を超えることもあります。
③気付きが遅い
子どもは自分で体調の変化に気が付いたり訴えたりできません。そのため急にぐったりしたりすることも多いです。
子どもの熱中症を予防する
①規則正しい生活習慣
3食しっかりと食べ、早寝早起きをして規則正しい生活習慣を継続しましょう。
②こまめな水分補給
イオン飲料(スポーツドリンクや経口補水液)をこまめに与えましょう。イオン飲料が飲めない子には水やお茶に加えてスイカやバナナを食べてもいいです。最近は塩分補給タブレットなども売っています。
③こまめな休憩
芝生や土の上では地面から放出される熱(赤外放射)は舗装面よりも少ないですが、日射(日差しによる熱)は変わりありません。こまめに日陰で休息し、風(うちわや扇風機、クーラー)に当てて体温が下げましょう。
④衣服の調整
通気性の良い服装をして、熱を吸収しやすい黒色系の洋服は避けましょう。また帽子をかぶせましょう(時々帽子を脱がせて通気も必要)。
⑤ベビーカー
長時間のベビーカーは通期も悪く地面からも近いために体温上昇をきたしやすいです。赤ちゃんの様子を時々見ながら、日陰で赤ちゃんをベビーカーから出してあげましょう。
⑥子どもの様子観察
遊んでいる動きが遅くなったり、転びやすくなったり、無口になったり、赤ら顔になったら要注意です。重症化しないためにも、こまめに様子を見てあげましょう。
⑦マスクについて
熱中症のリスクが上がる可能性があります。乳幼児(特に2歳未満)のマスク着用は普段から要注意ですが、高温下に屋外で人と十分な距離が保てる場合(少なくても2 m以上)はマスクを外すようにしましょう。(厚生労働省「新しい生活様式」より)
熱中症かな?の時
涼しい場所に寝かせて、風を送り全身を冷たい濡れタオルで拭く、首やわきの下の太い血管を氷で冷やす、イオン飲料を少量ずつ服用させるなどの処置をします。
*意識が薄れたり、けいれん、高体温(40℃以上)が1つ以上あれば救急車を呼んで病院を受診しましょう。